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麺や 福一

Category : ラーメン |

東京に行ってきたのですよ。

白銀の新千歳空港から1時間半

雪はおろか街路樹には緑の葉っぱがついてるような本州に降り立ちました。

成田空港から特急で一駅の成田市のお店です。
実は東京までの切符を買って途中で思い立って駅員さんに泣きついて成田で払い戻ししてもらって途中下車というトホホスタートです。

iPhone地図アプリを頼りに曲がりくねった小路を少し歩くと古めかしい旅館の1階の部分にお店が出ています。
えらい老舗のようですね。

暖簾をくぐると年配の男性がカウンターで何か作業をしています。
一席空いてる椅子に座ろうとしたときカウンターの男性から「食券を買ってください」と。
けっこう近代的ですね。

食券を購入してカウンターの男性に渡そうとしたところ「あ、テーブルに置いといて」と。
洗い物の最中でした。終わったら注文聞いて作るんですね。

と思ったら奥から奥さんらしき女性が注文を聞きに来ました。あれ?この人が作るの?

後から調べたら奥に調理する男性の店主が居るそうです。
超非公開キッチンですね。

IMG_2122.jpg


写真は鶏濃厚醤油ラーメン750円。
先ほどの洗い物の男性の奥さんらしき女性が無造作に置いていきました。

定番の具材の他に茹でたキャベツや鶏肉のチャーシュー的な物が乗っています。

スープをずずっと一口「うおう・・・」

とろみを感じるほどの鶏白湯。唇がペカペカになります。
魚介も効いてる、はず。
簡単に言うと「けせらせら」をもうちょい濃厚にして色々足したけど鶏の前には出て来ないような作りというか、醤油味を頼んだけど醤油も前に出て来ない「スープ料理」って印象です。

これは旨いです。一口ごとに脳が幸せのホルモンを分泌していくのがわかります。

鶏白湯ってここ数年で急激に広まりましたよね。
理由は「新鮮な味覚で、豚骨ほどの臭みも無く、煮込みなどの手間も豚骨よりかからない」あたりを素人なりに推測してたのですが、これはちょっと手間かかりすぎなんじゃないかなと素人なりに心配になる味わいです。

麺は丸めの中太ストレート。
こういうタイプに馴染みの無い道民が適当に乱暴に表現すると「細めのパスタ」とか「リンガーハット」っぽいとか。

調べたら「麺屋棣鄂」という情報もありますが不明です。
ちょっと柔めなのは見えない厨房で茹であがりと思われるタイマーがしばらく鳴りっ放しだったからかな?

でもこのスープには合いますね。なんかもうすごい合う。
ゴワゴワした麺だとこの濃厚スープにもう一つの要素が介入してきて邪魔に感じるでしょう。
スープを食べさせる麺ですね。

具材もすべて丁寧な調理でおいしいのですが、気になったのはメンマにかかっていると思われるコショウですね。
ネギより効果的で、どことなく掴みどころがない濃厚スープに時折加わる刺激が堪らないです。


濃厚鶏白湯という、形式的には全国に定着したスタイルの味ですが、1杯の完結感というか「やっぱりこっちが発祥で本場なんだな」と思わせるだけの説得力はあります。

成田というそれほど大きくない町でも駅前には豚骨ラーメンから小林製麺の札幌ラーメンの店まで並んでいます。
地域による制約が限りなく少ないのは他県を陸で繋いで形成されてる本州という土地が持つ強みですね。

今はずいぶん違いますが、状況的に札幌麺を合わせざるを得なかった「けせらせら」など鶏白湯札幌勢のもどかしさは日本語で輸入文化のロックを歌う(歌わざるを得ない)違和感に少し似ています。

本物を知っているから皆にも本物を知ってもらいたいという伝道師的な欲求。

Dragon Ash というバンドがブレイクした当時のインタビューで「自分たちの曲を通じて自分が影響を受けた音楽の良さを知ってもらいたい。知ってもらった結果自分たちの音楽を聞かなくなってもそれは構わない」と語っています。

さすがにこれをラーメンにそのまま当てはめるのは強引過ぎだとは思いますが、今回私がほとんどラーメンだけの目的で道外まで飛んだのはやはり札幌で人気のお店のルーツと思われる本場の味を体感したかったからです。

2泊3日という短い期間で失望もありましたが実りの多い旅でした。
やっぱ食べるという行為だけは実際に行かなきゃどうにもならんですからね。
行かないまま後悔するのは人生の損失であります。


そういえばDragon Ashというバンド名には「Drag on ash(だらだらしてたら灰になるぜ)」という意味もあったりなかったりだそうです。

次はどこに行こうかな。
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