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夏の魔物

Category : 音楽 |

もうすっかり冬ですが「夏の魔物」レポです。

青森で6回目を迎えたフェスに参加してきました。
こちらのフェス、色々な面で破天荒な要素が満載で非常に楽しみでした。


出発は前日の夜でした。
夜行列車での出発です。
「青森なんだから北海道からなら朝イチで行けば昼くらいに着くじゃん」とお考えの貴方は極めて普通の思考の方です。
しかしこちらのフェス、開演が朝7:00からなのです。
健康的を超えた時間からロックを浴びるために「はまなす」に揺られます。

5:40青森駅到着。
もうなんかそれっぽい人しか駅前に居ません。
駅前の宿に荷物を預けて送迎バスに乗ります。
車内は主催者セレクトと思われるCDが大音量でかかり、気分を盛り上げます。

会場は車で1時間ほどの「夜越山スキー場」ステージは斜面に向かって3+1横並びで建ってます。
ステージ間も数10メートルしかなく、ものすごい音被りです。大丈夫なのでしょうか。
タイムテーブルもギチギチに詰め込まれてて、本当にこの通りに進行するのか非常に不安です。


とりあえず斜面に拠点を作ってビールで乾杯しました。朝7時ですが。
IMG_1758.jpg

こんな感じで超絶にのどかです。

ステージはどれがどれなのかわからないくらい観たのでいくつかピックアップしてレポします。

「本棚のモヨコ」
札幌で活躍中のバンド。
普段は戦隊ショーとかやってそうな「ストロングステージ」での演奏でした。
ポップでストレートな曲が多かったです。

「KAGE稲荷」
札幌から参加の「弾かない語り」アーティスト。
会場の食堂の建物内の「道場ステージ」での演奏です。
会場を不穏な笑いで包み込んでました。ラストは「ポイズン」で。

「撃鉄」
上半身裸+虎柄のタイツの天野ジョージ率いる撃鉄。
1曲目からストロングステージの骨組みをよじ登って屋根で歌っておりました。
TVの「サスケ」に出場が決定したそうです。

「THE NEATBEATS」
以前観たときは服装が完全にアメリカンロック方向にチェンジしてて非常に不安だったのですが今回はイギリススタイルに戻って安心しました。
バキバキの演奏とコテコテのトークできっちり盛り上げていました。

「DDT提供試合」
12:00に演奏は一度完全に終了し、プロレス団体DDTによるタッグマッチが始まりました。
板張りのステージで普通にプロレスをするのかと思いきや全選手が全ステージを股にかける大場外乱闘で大暴れ。
数メートル上空からの空中殺法、ロケット花火攻撃やマネキン(?)相手に攻防を繰り広げたりの明るく楽しく激しいプロレスで大盛り上がりでした。

「SCOOBIE DO」
時間が少ないせいか、それとも調子が悪かったのかライジングサンの時より精彩を欠いたステージでちょっと残念。

「武藤昭平とウエノコウジ」
アコースティックでトークを交えながらまったりと。
ウエノ氏はけっこう気さくな人ですね。

「ラフィンノーズ」
同行した友人のヘッドライナー。
付き合いというかノリで私もTシャツ買って完全にファンのいでたちで参加してきました。
ラストはメンバー以外のミュージシャンの演奏で「GET THE GROLY」
客席にもウエノ氏やニートビーツの面々が大はしゃぎ。
もう、なんか、これでいいやって感じでした。


噂には聞いていましたが会場は飲食店が絶望的に少なく、ライジングサンに慣れた私にはなかなか厳しい環境でした。

IMG_1755.jpg

青森名物「ざる中華」
完全にそのままというか、喜びも怒りも悲しみも沸かない名物でした。

しかしどういうわけか青森秘蔵の地酒「田酒」がビールと同じプラコップになみなみ注がれて500円という奇跡もありました。

「PANTA(頭脳警察」with菊池琢巳」
そんなに好きでもなかったのですが、何となく観に行ったら素晴らしいステージでした。
終始ニコニコ顔のPANTA氏を観てるだけでよかったのです。

「THE☆米騒動」
札幌を中心に活躍中の3ピースバンド。最近は東京近辺でも精力的に活動してます。
90年代以降の日本のオルタナ系ロックを全て飲み込んで吐き出したような音楽性と焦燥感と混乱を叩き付けたような演奏が圧倒的でした。
ぜひ札幌でもう一度観たいバンドです。

「うしじまいい肉撮影会」
ちょっとネタに見てみようかなと思って来てみたらどうやら皆さん同じ感じで妙にそわそわした雰囲気。
調子に乗って2列目でiPhone構えてバシャバシャ撮ってしまいました。
終演後うしじまさんの前に人が並んでるので並んでみたら一緒に写真撮ってくれました。
ネットで見かけるグラビアの印象とは全然違う、とてもチャーミングで素敵な方でした。

「KETTLES」
ボーカル&ギターとドラムの2ピース編成のバンド。
かなり気になってて、是非見たいバンドでした。
しなやかなさと熱気が同時に駆け抜けるような演奏。
ストーンローゼズの「エレファントストーン」も聴けて大満足。

「KING BROTHERS」
おそらく本日最高の人口密集度。
4人になって初めて観ましたが演奏のキレが尋常じゃありません。
もちろん演奏以外も色々キレていて、マーヤ氏は観客の頭上をギター弾きながら移動して客席中央に降り立ち、残りのメンバーもそこに集結して最後はドラムセット解体で終了。
最後にマーヤ氏がフラフラ近づいて来たので何となく抱き合っておきました。

「ZONE」
遠目であの曲だけちょっと聞き。
ベースが男性に代わってて少し寂しさを噛み締めました。

「タルトタタン」
女の子2人のユニットなんですがギターにブッチャーズの田淵ひさ子、ベースにスクービーのナガイケジョー、ドラムに相対性理論西浦謙助という豪華バンドを率いてのステージ。
曲も魅力的で、売れて欲しいなあ、と若手アイドルに目を付けて応援したい人の気持ちにちょっとなりました。

「バンドTOMOVSKY」
なかなか活動しているイメージがないトモフスキーですが、数年前に偶然観たライブが良かったのでまた観てみました。
まるで老けないトモとどんどん老けていくハルの対比が何とも。

「ザ50回転ズ」
もうこの次点で結構な時間押しだったのですが構うもんかの勢いでガンガンやっていただいて満足でした。

「bloodthirsty btuchers」
PAのミス(と思われる)でリハーサル押しまくりでステージ上も若干険悪なムードでしたが始まった演奏は素晴らしく、ただただ聞き惚れていました。

トリのオーガまで観る予定でしたがこの時点でたしか2時間近くオーバーしていまして、寒さと飢餓と疲労に耐えきれずここで退場。帰りのバスに乗り込みました。


「夏の魔物」は主催がいわゆるイベント会社ではなく、一人のロック好きな青年が立ち上げたフェスで、個人の資産(実家)をやりくりして行われた「手作りフェス」です。


完成度という面で見れば大手フェスには到底及びませんが、一人の人間の理想を詰め込んだ1日という面では十分過ぎるほどのボリュームと表現力でしょう。

今年の集客次第で来年の開催が無くなるという主催からの発表がありましたが、来年の開催が不可能でもまた何らかの形で続けて欲しいものです。


ロック、プロレス、アイドル、これらは全て「虚像」です。無くても行きていける。
しかし人間がこれらを欲してやまないのは虚像にしか描けない何かをそこに見いだしているのだと思います。

たぶん、それは「魔物」です。
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